近年、ニュースや報道で取り上げられることの多い「金価格の高騰」。資産としての注目度が高まる一方で、実際に金製品を「売却する」「査定する」といった行動に移している人はどの程度いるのでしょうか。
そこで今回、プラスト株式会社との共同調査として、全国の40歳~69歳の男女500名を対象に、「金に関するアンケート調査」を実施しました。
本調査では、金価格に対する認知度、金製品の保有状況、売却に踏み切れない理由、査定への関心、売却時に重視されるポイントなどについて調査し、金に対する消費者心理の実態を明らかにしました。
■調査概要
- 調査名:金に関するアンケート調査
- 調査手法:インターネットアンケート
- 調査期間:2026年1月6日
- 調査対象:全国の40歳~69歳の男女
- 有効回答数:500件
金価格の高騰、「よく意識している」は約3割にとどまる

まず、ここ数年の「金価格の高騰」についてどの程度意識しているかを尋ねたところ、「よく意識している」と回答した人は28.6%(約3割)にとどまりました。
一方で、「なんとなく聞いたことがある」と回答した人は57.0%と半数を超えており、多くの人がニュースや報道を通じて金価格の上昇を認知しているものの、「日常的に価格をチェックしたり、資産として強く意識したりしている層は限定的」であることが分かります。
また、「全く知らなかった」と回答した人も14.4%存在しており、金価格の高騰が社会的な話題となっている一方で、関心の度合いには大きな個人差があることがうかがえます。
この結果から、金は「値上がりしているらしい資産」として広く知られてはいるものの、株式や為替などと比べると、自分ごととして捉えられていない人も少なくない実態が浮き彫りになりました。
金価格高騰の認知度
- よく意識している:28.6%
- なんとなく聞いたことがある:57.0%
- 全く知らなかった:14.4%
金価格の上昇は認知されつつも、「具体的な影響」「自分の資産との関係」まで考えている人はまだ少数派であり、今後の価格動向や情報発信のあり方によって、関心層がどこまで広がるかが注目されます。
「売れるかもしれない金製品」、6割以上が「おそらく無い」と回答

次に、自宅に「売却できるかもしれない金製品」があるかについて尋ねたところ、「おそらく無い」と回答した人が64.8%と、全体の6割以上を占める結果となりました。この結果から、多くの人が「自分の家には売れるような金製品はない」と認識しており、金製品の保有自体を身近なものとして捉えていない実態がうかがえます。
一方で、「明確にある(指輪・ネックレスなど)」と回答した人は14.0%にとどまりましたが、「あるかもしれないが把握していない」(9.0%)や「昔もらったものがありそう」(4.6%)といった回答も一定数見られました。
これらを合わせると、約3割弱の人が「金製品を持っている可能性は否定できない状態」にあることになります。
また、「分からない」と回答した人も7.6%存在しており、自宅にある貴金属類を正確に把握できていない層が一定数いることも明らかになりました。
金製品の保有認識
- 明確にある(指輪・ネックレスなど):14.0%
- あるかもしれないが把握していない:9.0%
- 昔もらったものがありそう:4.6%
- おそらく無い:64.8%
- 分からない:7.6%
今回の結果から、金価格が高騰しているという情報が広く知られている一方で、「自分の生活や持ち物と結びついていない人が大多数である」というギャップが浮き彫りになりました。金製品が資産として意識されにくい背景には、保有状況の把握不足や、「売れるものだと思っていない」という心理的ハードルがある可能性も考えられます。
金製品が「売られずに眠る」最大の理由は「なんとなくそのまま」

金製品を「売らずに保管したまま」になりやすい理由について尋ねたところ、最も多かったのは「なんとなくそのままにしている」(37.2%)という回答でした。価格への不安や手続きの煩雑さといった具体的な理由を抑え、明確な理由がないまま判断を先送りにしている状態が、金製品が売却されない最大の要因であることが分かります。
次いで多かったのは、「安く買い叩かれそうで不安」(28.8%)、「売るタイミングが分からない」(26.4%)、「店舗に行くのが面倒」(25.4%)と続いており、金製品の価値や売却プロセスに対する不透明感・心理的ハードルが影響していることがうかがえます。
一方で、「思い出があり手放しづらい」(21.0%)という回答も一定数見られ、金製品が単なる資産ではなく、感情的な価値を伴う存在であることも改めて明確となりました。
売らずに保管してしまう理由(複数回答)
- いくらになるのか分からない:24.0%
- 安く買い叩かれそうで不安:28.8%
- 店舗に行くのが面倒:25.4%
- なんとなくそのままにしている:37.2%
- 売るタイミングが分からない:26.4%
- 思い出があり手放しづらい:21.0%
- その他:4.2%
その他の回答では、「まだ金が上がりそうだから待っている」「自分の持ち物をきちんと把握していない」「そもそも金製品を持っていない」といった声も寄せられました。
これらの回答からは、積極的に売らないというよりも、「判断を後回しにしている」状態が続いている様子がうかがえます。金価格の高騰が話題になる一方で、実際の行動には結びついておらず、心理的・情報的なハードルが、金製品を“眠った資産”のままにしている傾向が見て取れる結果となりました。
「無料で価格が分かる」なら、約半数が金の査定に関心あり

「もし無料で価格だけ分かるとしたら、金の査定をしてみたいか」と質問したところ、「ぜひしてみたい」(8.2%)と「少し興味はある」(41.2%)を合わせて49.4%となりました。約半数が「売却するかどうかは別として、まずは価格を知りたい」という姿勢を示しており、金製品の価値に対する“潜在的な関心”が一定数存在していることが分かります。
一方で、「興味はない」と回答した人も50.6%とほぼ同水準に達しており、無料査定というハードルの低い条件であっても、関心が二極化している状況が浮き彫りになりました。
無料査定への関心
- ぜひしてみたい:8.2%
- 少し興味はある:41.2%
- 興味はない:50.6%
「ぜひしてみたい」と回答した人は1割未満にとどまっているものの、「少し興味はある」が4割を超えている点は注目に値します。これは、売却への強い意思はないものの、“価格次第では考えてもよい”と感じている層が多いことを示唆しています。金価格の高騰が続く中で、「売る・売らない」以前に「知る」という段階で足踏みしている人が多く、価格の透明性や安心感が、今後の行動を左右する重要な要素となることが示される結果となりました。
金を売却するなら最重視されるのは「査定金額の高さ」

金を売却する際に重視したいポイントについて尋ねたところ、最も多かったのは「査定金額の高さ(相場を反映しているか)」で66.4%となりました。金価格が高騰している局面において、「いくらで売れるのか」「相場に見合った金額なのか」を最優先に考える人が多く、売却判断の起点は“価格そのもの”であることが明確に表れています。
一方で、価格以外の要素にも一定の支持が集まっています。「査定時の説明が丁寧・分かりやすい」(40.0%)、「会社規模や運営実績がしっかりしていること」(30.6%)といった回答からは、金額だけでなく、その根拠や取引の安心感を重視する姿勢もうかがえます。
売却時に重視するポイント(複数回答)
- 査定金額の高さ(相場を反映しているか):66.4%
- 査定時の説明が丁寧・分かりやすいこと:40.0%
- 会社規模・運営実績がしっかりしていること:30.6%
- 査定から現金化までのスピード:29.6%
- 出張買取・宅配買取など自宅で完結できること:13.0%
- 口コミ・評判が良いこと:19.0%
- その他:2.0%
また、「現金化までのスピード」(29.6%)が3割近くにのぼっている点から、急ぎの資金ニーズや手続きの簡便さを意識する層も一定数存在していることが分かります。
一方で、その他の回答を見ると、「持っていないので分からない」「売らない」「全部売って手元にない」といった声がある一方で、「そもそも売却を考えていない」といった意見も見られました。これらの回答からは、元から金製品を持っていない人と、持っていても売却を検討していない人が混在している状況が読み取れます。
金を売るという行為は、単なる価格比較ではなく、「価格×説明×信頼」のバランスで判断されていることがうかがえる結果となりました。
金価格がさらに上がっても「すぐ売る」はわずか6.2%にとどまる

今後、金価格がさらに上昇すると感じた場合に、どのような行動を取るかについて尋ねたところ、最も多かった回答は「特に何もしない」で50.2%となりました。半数の人が、価格上昇を感じてもすぐに行動には移さず、現状維持を選択する慎重な姿勢を取っていることが分かります。
一方で、「価格を見ながらタイミングを待つ」と回答した人は43.6%にのぼり、金価格の動向を注視しつつ、「今はまだ売り時ではない」と考えている層が非常に多いことがうかがえます。
対照的に、「すぐに売却を検討する」と回答した人はわずか6.2%にとどまり、価格上昇=即売却という行動には直結していない実態が明らかになりました。
金価格上昇時の行動
- すぐに売却を検討する:6.2%
- 価格を見ながらタイミングを待つ:43.6%
- 特に何もしない:50.2%
この結果から、多くの人が「まだ上がるかもしれない」「今売るのは早いのではないか」といった思いを抱え、売却判断を先送りにしている様子がうかがえます。前問で見られた「売るタイミングが分からない」「なんとなくそのままにしている」といった回答とも一致しており、金価格が高騰している局面においても、明確な“売りどき”を見極めきれず、行動に踏み切れない層が多数派であると言えるでしょう。
金は価格変動が注目されやすい資産である一方、実際の売却行動には慎重さが伴い、「上がったら売る」という単純な判断にはなりにくいことを示す結果となりました。
【まとめ】金は「気になる資産」だが、行動には結びつきにくい
今回の調査から、金価格の高騰そのものは多くの人に広く認知されている一方で、実際に売却や査定といった具体的な行動に踏み切っている人はごく少数派にとどまっていることが明らかになりました。多くの人が、金価格が上がっていることを「知ってはいる」ものの、「今売るべきかどうか分からない」「まだ上がるかもしれない」といった迷いから、判断を先送りにしている実態が浮かび上がっています。
金は、すぐに売買される投資対象というよりも、価値は感じつつも判断が後回しにされやすい資産と言えるでしょう。今回の調査は、そうした40~60代のリアルな金との向き合い方や、慎重で様子見姿勢の強い意識構造を浮き彫りにする結果となりました。今後、金価格の動向や情報提供のあり方次第では、こうした“潜在的な行動予備軍”が動き出す可能性もあり、金市場における消費者心理の変化が注目されます。
