買取業界の実態が明らかに。51%が1店舗で売却、満足度は4割止まりという結果に

51%が1店舗で売却を行っていたことが判明

プラスト株式会社と共同で全国の20〜59歳の男女320名を対象に「買取・査定に関する実態や満足度」に関するアンケート調査を実施しました。
本調査では、査定を受ける際に利用した店舗数、売却したアイテムの種類、査定金額への満足度、重視ポイントなど、普段は見えづらい買取ユーザーの行動や心理が明らかになりました。

目次

1店舗だけで査定する人が半数以上。比較する人は少数派

何店舗で見積りを取ったのかの質問

まず、買取や査定を行う際に「何店舗で見積もりを取ったのか」について尋ねました。
調査の結果、「1店舗のみで査定を受けた」と回答した人が 51.3% と全体の半数以上を占めました。

続いて「2店舗」が20.9%、「3店舗」が9.4%、「4店舗以上」が4.4%となり、複数店で比較した人は全体の34.7% にとどまっています。一方で、「覚えていない」と回答した人も14.1%おり、過去の査定経験が曖昧なまま利用しているケースも一定数存在することがわかりました。

この結果から、「査定は1店舗で済ませる」という利用者の行動が一般的である一方、比較検討を行う人は少数派であることが明らかになりました。

買取市場では、同じアイテムでも店舗ごとに査定方針・販路・在庫状況が異なるため、査定額に数千円〜数万円の差が出るケースも決して珍しくありません。そのため、「比較をしないことで、知らぬ間に損をしている可能性がある」という実態もうかがえます。

売却アイテムは「ブランド品」「貴金属」「家電」が上位

売却アイテムについての質問

調査の結果、もっとも多かった売却アイテムは ブランド品(30.6%) で、続いて金・貴金属(25%)、家電(22.5%)、スマホ・タブレット・PC(19.1%) など、日常的な不用品から高価な資産まで幅広く売却されていることが分かりました。一方で、「その他」が31.9%と最も多く、「書籍」「衣類」「ゲームソフト」「金券」「カメラ」「家具」「車」「雑貨」など、生活用品から専門性の高いアイテムまで多岐にわたる品目が挙がりました。

これらの結果から、買取サービスは高級品だけではない幅広いニーズに支えられた市場であることが明らかになりました。特にフリマアプリの普及により、モノを売る行為が日常化した影響もあり、使わなくなった物を気軽に手放す手段として買取店を活用する人が増えていると考えられます。

買取を考えた理由は「不要になったから」が最多

買取を考えた理由に関する質問

調査では、最も多かった回答が 「使わなくなったから」(73.4%) となり、不要品の整理を目的とした売却が主流であることが明らかになりました。続いて、「保管スペースがなくなった」(23.8%)、「資金が必要になった」(17.2%)、「新しいものに買い替えたかった」(15.9%) と続き、生活環境や金銭的な事情など、日常的で現実的な理由が上位を占めています。

特に「使わなくなったから」が突出して多いことから、利用者の多くが “価値のあるうちに手放す” という軽やかな消費行動を取っていることがうかがえます。

また「保管スペースの確保」も一定数存在することから、収納スペースの限られた都市部での暮らしや、ミニマリズム志向の高まりが影響している可能性があります。

今回の結果は、買取サービスが“不要品の整理”や“生活の最適化”をサポートする身近な存在 として利用されている実態を示すものとなりました。

査定金額の満足度は?約24%が「不満」

査定結果への満足度に関する質問

調査結果を見ると、「非常に満足した(7.8%)」「満足した(30.6%)」を合わせても約38%にとどまり、満足度が突出して高いとはいえない状況が明らかになりました。一方で、「普通だった」と回答した人が37.5%と最も多く、査定額に対して可もなく不可もなくという層も一定数存在します。

しかし、「普通」「少し不満」「非常に不満」を合わせると 約61% に達するため、“満足しきれていない層が多数派” であることは否めません。特に 「少し不満(15%)」と「非常に不満(9.1%)」を合わせた不満層は約24% となり、4人に1人が何らかの不満を抱えている結果となりました。

この背景には、アイテムの価値や相場が一般利用者にとって分かりづらいこと、店舗によって査定基準が異なり提示額に幅が出やすいことなどが影響していると考えられます。

査定金額に不満を感じた理由は期待とのギャップと不透明さ

査定金額に不満を感じた人(77名)に、具体的な理由を自由記述で尋ねました。自由回答を精査したところ、不満の理由は 大きく4つの傾向に分類できました。
以下は、実際の回答内容に基づく分析です。

査定金額に対する不満

最も多かったのは 「思ったより安い」「期待より低い」 という回答で、77件中 過半数 がこの内容に該当しました。

■実際の回答例

「買取額が低かった」
「予想より安かった」
「定価の半値以下だった」
「大した値にならなかった」
「売らない方がマシと思える安さ」

査定の説明に対する不満

複数の回答で、査定が「納得できない」「説明がない」といった声が見られました。

■実際の回答例

「査定の仕方が納得できない」
「理由の説明がなく、全部まとめての金額だけ言われた」
「安いことの説明がなかった」

アイテムの特徴による不満

回答の中には、アイテムごとの理由も明確に示されています。

●高額アイテム関連

「ロレックス以外は評価額が低すぎる」
「貴金属が相場より安い」

●衣類・書籍など低単価アイテム

「衣類が1点数円だった」
「本を百冊以上持ち込んでも安かった」
「値段がつかないと言われた」

対応・査定プロセスへの不満

金額以外の不満も回答として存在しました。

■実際の回答例

「査定に1時間待たされた」
「担当者によって価格が違った」
「重箱の隅をつつくように傷扱いされた」
「即決を求められた」
「査定時間が長い」

今回の回答結果は、「適正な価格」だけでなく「納得できる説明や透明性」が満足度向上の鍵になるという重要な示唆を与える結果となりました。

買取店に求めるものは「査定額の高さ」と「スピード」

買取店に求めることに関する質問

最後に、買取店を利用する際に「どのような点を重視しているのか」について尋ねました。
調査の結果、最も多かったのは 「査定額の高さ」(58.4%) で、半数以上の利用者が“いかに高く売れるか”を最重視していることがわかりました。

次いで 「買取完了までのスピード」(48.8%)、「手続きの簡単さ(店頭・宅配・出張など)」(45.9%) が続き、短時間でスムーズに取引できることが求められている傾向も見受けられます。

一方、「スタッフの対応や説明のわかりやすさ」(26.9%)、「企業や店舗の信頼性・知名度」(18.8%)、「口コミ・評判」(15.9%) も一定数の支持があり、“安心して任せられるかどうか”を重視する層も少なくありません。

買取店にとっては、査定額の向上だけでなく、説明の丁寧さやスピード対応、手続きのわかりやすさ といった、利用者に寄り添うサービス設計が求められていると言えるでしょう。

まとめ

今回の調査から、買取サービス利用者の多くが1店舗のみで査定を行う傾向があり、比較不足による損失リスクがあることがわかりました。売却されるアイテムはブランド品や貴金属だけでなく、衣類・書籍・家電など幅広く、買取サービスが日常的に活用されている点も特徴です。一方で査定額に不満を感じる人は4人に1人と多く、理由として「説明不足」や「根拠の不透明さ」が挙がりました。利用者が求めるのは、高額査定だけでなく“納得できる丁寧な説明と安心できる取引”であることが示されました。

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