- 「金の価値とは?」
- 「金の種類で価値はどう違う?」
- 「金の見分け方って何?」
金の価値について、そんな疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか。
金の価値は、年々上昇傾向にあり資産として注目されています。金は純度や種類があり、投資用の金製品からアクセサリーまで幅広く存在します。また、本物の金を見分けるための実用的な方法や価値を正しく判断するためのポイントもまとめましたので、ぜひ参考にしてみてください。
金の価値とは
金の価値は、世界経済や政治が不安定になると、「安全な資産」として注目され価格が上昇しやすくなります。たとえば、インフレや円安が進むと、現金や株式よりも価値が下がりにくい金が選ばれます。こうした背景から、金はこれからも資産として注目され続け、高い価格で推移する可能性が高いと考えられています。

金の価格は純度で異なる
金の価値は、その中にどれだけ純金が含まれているか(純度)によって決まります。純度が高いほど価値は高くなり、純金(24金)はほぼ100%の金を含みます。一方、18金や14金は他の金属が混ざっているため純度は低くなります。
同じ重さでも、純度が高い金の方が高値で取引されるため、金を売買する際は純度をしっかり確認することが大切です。
K24・24K・24金の価値
K24・24K・24金の価値は、1gあたり約16,500円(2025年時点)で、2015年から2019年の相場と比べると約3倍に上昇しました。K24・24K・24金は、純度99.9%以上の純金を指し、主に金の延べ棒や金貨に使われています。高い純度と信頼性から、投資目的に適した金属とされています。
K24・24K・24金の買取相場推移は、以下のとおりです。
- 2025年:約16,500円
- 2023年:約10,500円
- 2021年:約7,500円
- 2019年:約5,500円
- 2017年:約5,000円
- 2015年:約5,000円
K22・22K・22金の価値
K22・22K・22金の価値は、1gあたり約15,500円(2025年時点)です。2015年から2017年の相場と比較すると、約3倍以上の上昇を見せています。K22・22K・22金は、純度約91.7%の金で、純金よりも硬いためジュエリーやコインに広く使用されています。見た目の美しさと実用性のバランスが取れた金属といえます。
K22・22K・22金の買取相場推移は、以下のとおりです。
- 2025年:約15,500円
- 2023年:約9,500円
- 2021年:約6,500円
- 2019年:約5,000円
- 2017年:約4,500円
- 2015年:約4,500円
K18・18K・18金の価値
K18・18K・18金の価値は、1gあたり約13,000円(2025年時点)となっており、2015年から2019年の相場と比べると約3倍に上昇しています。K18・18K・18金は、純度75%の金で、残りの25%には銀や銅などが混ぜられ、強度を高めているため、ジュエリーや時計、万年筆のペン先など、さまざまな製品に使われています。実用性と資産性のバランスが良い人気の金です。
K18・18K・18金の買取相場推移は、以下のとおりです。
- 2025年:約13,000円
- 2023年:約8,000円
- 2021年:約5,500円
- 2019年:約4,500円
- 2017年:約4,000円
- 2015年:約4,000円

K14・14K・14金の価値
K14・14K・14金の価値は、1gあたり約9,500円(2025年時点)となり、2015~2019年の価格相場から3倍以上に上昇しています。K14・14K・14金は、純度58.5%の金合金で、残りは銀や銅などが含まれています。変色や変形に強く、デザインの自由度が高いため、普段使いのアクセサリーに広く使われています。比較的手ごろな価格帯でありながら、資産価値も期待できる金属です。
K14・14K・14金の買取相場推移は、以下のとおりです。
- 2025年:約9,500円
- 2023年:約6,000円
- 2021年:約4,000円
- 2019年:約3,000円
- 2017年:約3,000円
- 2015年:約3,000円
K10・10K・10金の価値
K10・10K・10金の価値は、1gあたり約6,500円(2025年時点)となっており、2015年〜2017年頃の相場から約3倍に上昇しています。純度は約41.6%で、残りは銀や銅などの金属が混ざっているため、硬く丈夫でカジュアルなジュエリーに多く使われています。
K10・10K・10金の買取相場推移は、以下のとおりです。
- 2025年:約6,500円
- 2023年:約4,500円
- 2021年:約3,000円
- 2019年:約2,500円
- 2017年:約2,000円
- 2015年:約2,000円
金投資の価値は上昇傾向
投資目的で購入される金は、資産価値が上昇傾向にあります。株や通貨とは異なり、価値がゼロになるリスクが低いため、リスク分散の手段として選ばれることが多いです。特に実物資産として人気が高いのは、金の延べ棒(インゴット)や金貨(メイプルリーフ金貨、ウィーン金貨など)です。これらは今後も投資対象として高い価値が期待されています。
延べ棒や金地金の価値
金の延べ棒(インゴット・ゴールドバー)の価値は、1グラムあたりの金相場価格に重さをかけて計算されます。例えば、2025年現在の相場が1グラム約16,500円の場合、100グラムの延べ棒は約165万円となります。
延べ棒のサイズは5グラムから1キログラム以上までさまざまで、基本的に純度99.9%以上の24金が使用されています。高額で取引されるため、資産保全や本格的な投資に適した金の形態です。
メイプルリーフ金貨の価値
メイプルリーフ金貨の価値は、金の相場価格に加えて、製造コストや希少性なども考慮されて決まります。カナダ王室造幣局が発行するメイプルリーフ金貨は、24金(純金)で作られており、美しい見た目と高い信頼性から世界中で広く流通しています。同じ重さの金の延べ棒と比べてやや高値で取引されることが多く、投資だけでなくコレクション目的でも人気があります。
金アクセサリーの価値はデザイン・宝石・ブランドも影響
金のアクセサリーの価値は、金の相場価格の上昇に伴って高まっています。しかし、価値は単に金の重さや純度だけで決まるわけではありません。デザインや宝石、ブランドも大きく影響します。
例えば、有名ブランドのジュエリーやダイヤモンド付きの製品は、金の素材価値を超える高い査定額がつくことがあります。そのため、単に「金の量」だけで判断せず、芸術性やデザインの仕上がりといった付加価値も考慮して評価されます。

時計の金製品価値
金の時計の価値は、「金の純度・重さ」だけでなく、「ブランド・モデル・状態」といった複数の要素によって決まります。特に18金製の時計は、資産価値と高級感を兼ね備えており、常に高い人気があります。
ロレックスやオメガといった有名ブランドの時計であれば、金の使用量が少なくても、ブランド力やデザイン性が評価され、高額査定につながることが多いです。また、壊れた時計であっても、ケースやベルトに18金や14金が使われていれば、素材としての価値は十分に認められます。
ネックレスの金製品価値
金のネックレスの価値は、「金の純度・重さ・デザイン・ブランド・宝石の有無」など、さまざまな要素によって決まります。使用される素材としては18金が一般的ですが、ほかにもパラジウムや銀、銅を加えて色味を変えたカラーゴールドもあり、配合される金属の割合によって価値が異なることがあります。
また、ダイヤモンドやルビーなどの宝石が付いている場合は、それ自体が査定の対象となるため、金の純度が低くても高値がつくことがあります。ただし、買取業者によっては宝石を評価しないケースもあるため、事前の確認が重要です。
指輪の金製品価値
金の指輪の価値は、「金の純度・重さ・デザイン・宝石の有無・ブランド」など、複数の要素によって決まります。一般的には18金が多く使用されており、金の含有量が高いほど素材としての価値も上がります。
また、宝石が付いている場合は、その種類や大きさによって査定額に大きく影響します。有名ブランドの指輪であれば、ケースや保証書などの付属品が揃っていることで、さらに高く評価されることもあります。
ペンダントの金製品価値
金のペンダントの価値は、「金の純度・重さ・ブランド・デザイン」などによって決まります。特に高級ブランド品や限定デザインのものは、コレクターズアイテムとして、金そのものの価値以上の価格がつくこともあります。また、ダイヤモンドなどの宝石があしらわれている場合は、その種類や品質に応じて査定額がさらに上がる可能性があります。
ペンダントは、チェーンや紐に吊り下げるトップ部分の装飾品を指し、シンプルなデザインから宝石をあしらった高級品まで、さまざまなバリエーションがあります。
ブローチの金製品価値
金のブローチの価値は、「金の純度・重さ・ブランド・限定デザイン」などによって決まります。特に、高級ブランドや希少なデザインのものは、金そのものの価値を超えて高値で取引されることがあります。また、アンティークのブローチは、繊細な細工や歴史的背景、希少性が評価され、コレクターズアイテムとして高い価値を持つこともあります。
金のブローチは、フォーマルな場で襟元に留めるアクセサリーとして人気があり、ダイヤモンドやパールなどの宝石があしらわれていれば、さらに査定額が上がることがあります。
その他金製品の価値
その他の金の価値は、投資用のインゴットやアクセサリーに限らず、日用品や記念品など幅広い製品にも認められます。たとえば、金歯、金杯、金仏具、金の置物、金メガネフレーム、金の万年筆などが該当します。
これらの製品も、金の純度や重さが明確であれば、金相場に基づいて価値が判断されます。たとえ破損や変色があっても、「金そのもの」の評価は大きく下がりにくいのが特徴です。
歯(金歯)の価値
金歯の価値は、その純度と重さ、そしてその日の金相場によって決まります。金は酸化しにくく安定性の高い金属のため、口の中で長年使用されていても、素材としての価値はほとんど失われません。
金歯には、詰め物(インレー)、被せ物(クラウン)、ブリッジ、義歯などの種類があり、使用されている金の量もそれぞれ異なります。一般的に使われる純度は14金・18金・20金などですが、金歯には刻印がないことが多いため、正確な純度を知るには、処置を行った歯科医院に問い合わせるか、買取業者などで鑑定を受ける必要があります。
工業用貴金属の価値
工業用貴金属(金、銀、プラチナ、パラジウムなど)は、電子部品や医療機器など、さまざまな産業分野で活用されています。その価値は主に市場の相場価格に基づき、素材の純度と重さによって決まります。
ただし、不純物や他の金属、プラスチックなどが付着している場合は、査定額が減額されたり、分別や精錬にかかる手数料が発生したりすることがあります。
金の見分け方と価値の判断ポイント
金の見分け方や価値を判断する際は、刻印の確認、磁石への反応、色味のチェック、比重測定などが効果的です。例えば、「K18」や「K24」といった刻印は金の純度の目安になります。磁石にくっつくかどうか、色が不自然でないかも重要なポイントです。また、水に沈めて比重を測れば、おおよその純度を推測できます。
これらの方法を知っておくことで、自分の金製品の大まかな価値を把握でき、偽物や金メッキ品によるトラブルを防げます。

金製品の刻印を調べる
刻印を調べることは、金の純度や種類を見分ける基本的な手がかりとなります。例えば、「K24・K22・K18」などは純度を示し、金の延べ棒には「999.9」や「FINE GOLD」と刻印されていることが多いです。カラーゴールドの場合、ホワイトゴールドなら「WG」、ピンクゴールドなら「PG」などの略号も使われます。
刻印があっても必ずしも本物とは限りませんが、価値を判断するうえで重要なポイントです。
磁石を金製品に当てる
金は磁性を持たないため、磁石を当てることで本物の金かを見分ける手がかりになります。ネックレスや指輪が磁石にくっつく場合は、他の金属が混ざっている可能性があります。ただし、金メッキでも磁石に反応しないことがあるため確実に判断したい場合は専門の鑑定が必要です。とはいえ、手軽にできる自己チェックとしては有効です。
色味で金製品を確認する
金の色味を確認することで、純度をある程度見分ける目安になります。純金(K24)は濃いオレンジがかった黄色ですが、純度が下がるほど明るくなり、K10程度になると銅の影響で鈍く暗い色味になります。金メッキ製品は色が薄かったり、光沢が不自然だったりすることがあります。色の違いに注目することで、おおよその種類や純度を判断できます。
水に入れて金製品の比重を確認する
金の純度は比重を測ることでも確認できます。比重とは、物質の重さを水と比較したときの相対的な数値を指します。この方法は、金製品の重さを正確に測り、次に水を入れた計量カップに沈め、水の体積がどれだけ増えたかをチェックします。「金製品の重さ÷増えた水の体積」を計算すれば、比重を算出できます。
純金(K24)の比重は、約19.3でこれに近い数値ほど純度が高いと判断できます。ただし、中空構造や宝石付きの製品では正確な測定が難しい場合もあります。